京都・山城 うお志商店/ロカカドウシアン

こんな音楽が聴こえていた⑮

若い頃、あまり何も悩まずのほほんと
生きてきてたのですが、ある時
物凄い不安と焦燥感にかられる時期が
ありまして、確か30才過ぎた頃だと
思います。
「このままでは駄目だ、、いや、このままなのか」
と、このシェイクスピアのような問答が
朝から晩まで頭を駆け巡っていました。
その時ラジオから流れてきた懐かしい曲。
「N.O」。
世間的にはコミックバンドのような
捉え方をされてる「電気グルーヴ」。
けれど「N.O」はシリアスなナンバー。
懐かしいと思いながら聴こえてきた歌詞が

『先を思うと不安になるから
       今日のところは寝るしかないね』

ウワーッと心の涙が溢れ出しました。
「あきらめるんじゃない!」
「夢を信じて負けないで!」
みたいな歌詞ならふざけんな!って思ったかも
しれません(笑)その当時なら。
この一節は、悩みに対して何も答えが出てる
わけではないのですが、心が同調されたと
いいますか、凄い人でも悩みもがいているんだ
なぁって思いました。

世は歌につれ、とは良く云ったもので
青春時代に聴いた曲を聴き返すと、その頃の
思い出が蘇ってきます。
不思議なもので「匂い」や「温度」まで
蘇ってきます、本当に。